熱軟化による丸竹材の整形システムの開発(第2報)
一 丸竹材の最大曲がり量とカンテキ作業における矯正精度について
小谷公人*・阿部優*・中嶋聖允**・古田裕二**・宮崎徹* *竹工芸・訓練支援センター研究指導課・1=*京都府立大学
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要旨
丸竹材における整形システムの装置化を進めるために,自然素材である丸竹材の一般的な曲がり形状を実測しノ, その曲がり量を計測した・また,実際の技能者によるカンテキ作業による竹の曲がりを矯正後の実測値との比較
検討を行った・その結果,4す丸竹における最大曲がり量は約113.7mmであり,平均直径の約3倍であった.実際
の技能者によるカンテキ作業による竹の曲がりを矯正後の実測値は,4寸丸竹における最大曲がり量が約:i 5.Om−−1
であり,平均i 計径の約0.9倍であった
1. はじめに
造園業。建築内装業・インテリア業界では,丸竹の通 直材が求められている。しかしながら,製竹業生産濁傷 においては,かんてき。矯直しと呼ばれる丸竹整形(屈 曲した部分をバーナーで加熱し竹材を軟化させ,テコを 利用して整形し,整形した状態で水をかけ冷却し変形を 固定する)作業を行う職人の高齢化に伴う減少や重労働
で熟練の技術を必要とするため後継者が育たず深刻な状
況にある.また,外国より輸入される安価な適直材によ
り国産材のシェアが奪われつ/二)あり,国内製竹業界は窮
地に立たされている.そこで本研究では,ニうした問題 を解決すべく,屈曲した丸竹材を通底にする整形技術を
確立し,機械化による自動化(省ノ」化)システムを開発 し,通直材の量産を目指す。
この整形システムを確立するため,装置化に必要な丸
竹の曲がり量やその曲がり傾向を把握するH的で,実測
データを蓄積する実験を行った。まず,丸竹材の 一般的
な曲がり形状を実測しク その曲がり鼻を計測した.また,
実際の技能者によるカンテキ作業による竹の曲がりを矯 正後の実測値との比較検討を行ったのでここに報告する.
2.実験 2.1曲がり形状の実測方法
供試材には,すでに湿式油抜き処理さわイニ直系釣′ 汗m県
県確マダケ材の良さ4.加材を用いた.二の供試材は,∧
竹材店(国東町)の在庫のし中かじ」:う(〕本を作意に選ん/二て.
Fi 艮.1′ 札竹(直径約車両 しけ鼻測掛定台
実朝用・行∵り−めに準備しノた測定・.三「(‡Ti g.り に供試イイを
しりせ,ブ已部を始ノFさ、j 、、1二Lて,そ侶にさ力向〃)節付二匿および 節田川一束部位置を測定しノ,直径お上び丸竹抑一川一に桔・す る高伏位;葦,水上ド位置を−そ肌各曾制二ご王に′ 轟則した
卜i g∴う カンテキ作業風景
mとされる供試材甘場合,節の数は,1こト20で,平均で は約16になろが,出現頻度とLて最む多い節の牧は朋本
中射畑什現Lた節の数17ごあった.供計材の庫径は 平 均で3軋4mmであったが,節部の直径は最大50.Om汀i ,最′ 卜 2軋3mmであり,その直径基は21.7mmであ 畑 節間部の【自二 径差は㍑」mであった.つまり,元卸(地上き!;)で直径 50.Oi n汀1のむのが、東部(先端欄)ノでほ約半分の直径 25。1mmとなることを想定する必要があることがホ唆され
た_ /_.
32 4寸竹(丸竹樹4.5m)の曲がり量の把握 整形システムでは,長さ方向に対する丸竹の曲がり量
Tと1と)1ビ.1直径約ヰcmリ〕丸竹材(供試材)の性状 Fi g.2 実測風景
丸竹材円周に接する高低位置,水平位置実測は,Fi g.2 に示すように,2木の物差しを実測測定台の垂直面と水 平面に直行するようにあてて,その交差した位置の数値 を読み取る方法で行った.直径約4cmの丸竹材の各部位 ごとの実測値をもとに,高低位置,水平位置の実測値か ら半径分(直径の1/2)の数値を減算して,丸竹中心部
の位置データを入力した. 2.2 カンテキ作業
A竹材店のカンテキ作業に従事する技能者によって,
実測した供試材を矯正した.(Fi g.3) 2、3 カンテキ作業後の矯正竹材の実測
カンテキ作業を終えた供試材は,同様に元部を始点に して,丸竹材円周に接十る高低位置,水平位置をその各
部位ごとに実測した.
3.結果及び考察
3.7 4寸竹(丸竹材4.5汀l )直径のばらつきの把握
整形システムを考える卜ごは,一般的に使用されてい
る丸竹材♂〕性状のばらつきを把握することが基礎チータ
となるく 供試材30本の性状(節の数,し在径),処理前お ょびカンテキ矯正後の水平位置曲がり量,「計階位置憎が り量の平均,最人,最小,標準偏差をr l 、abl ビ.1に示す.
そのばらつきのうち,整形システム装置設計に必要な
データとして,今回の4寸竹(直径約4cm)の良さ、4.5
節の数 15.97 13 1.52 快諾樹
の性状
鮪闇盾経 っ鍔只 A7 つ り仁1
▲▲l ・1ト■J l ヱ=..1⊥ 〉〉■〉
水平位置 46.5 ‖ 3.7 14.9 21_7 カンテキ
高低位置 23.9 60.3 12.5 5,0 総位置 35.2 113.7 125 19.4 水平イ立置 24.0 35.0 14.5 3.2 カンテキ
矯正後
高低位置 21.7 28.7 13.5 2.8 総位置 22.8 35月 13.5 3.2
4寸カンテキ前(N()2「j − 4寸カンテ車扱作(く〉291
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寂衷躊がり数訊頂 凍平26,i 高儀23.§ 標準偏差 水軍2▲2 霧礫i .7 7 高庶25。5
9.呈 高低2.自
巨 00 Zロり 400 600 8†用 川00 i 2日O L】_仙】】.】..一】..一.】.】_一▲ _...一▲ 】
上座.h ノい杓甘置最大L批小り量矯1i 二後ハ分散宜
、、、、、 、、:
00 2〔〉0 40,0 600 80.O i OO.0
=針ヰ ′ 水平位牒最大曲がり是供甘材(ソ)う〉散図
4寸カンテキ新郎025j
Fi g.5 高低位置最人山がり量供試材び)分散図 ト、i g.7 高低位置茂人曲がり量矯直後山万散図
を矯1Eすることが目的であ畑 最大曲がり量がど宜程度
かを把握すると,供試材30本の最大曲′ 乙くり量は 水中位 置113.7mm,高低位置60∴∃mmであった.
↑回の実測では,竹材をFてg.川十上うに比較的安定〉j る 状態に設置Lて測定したことから,水平位置ごゾ)曲がり
量が高低位置での膿′ う=り量の2倍近い山がり量となった. 二れは,竹材の曲が畑乃傾向を示すも)のとして,:う次元
的な曲が町よりも 比較的2次元的な曲がりジ)傾向が強
いニヒを示す‡〕C/)と思われろ.
水平位置で最大曲がり量113。7mとなった丸竹凝≠ヰ心
位置〝)分散凶を「1、i g∴1にホす.水平位置での標準偏差 25.5,甜上帥ンニ置ごG7)標準偏差2.0であることを見て≠J , 水や位置で(ハ曲がり量のみソ)2次j こ的な曲がりであるニ
ヒがわかろ.供試材の平均直径が朋.4一丁】mであることか〔〕, 最大曲がり量烏闇詔材び)平均直径ゾ)釣3倍であ/〕た 高低位置で最大助か==如()∴うー¶ mとな/)た丸竹材爪中心
位遅け)分散区をFi g.5に示す.ニげ)場合,水平位置でゾ) 標準偏差17∴i ,高低位置で〃)標準偏差10.′ 1であろこと/を 見てヰ),水平位置,高低位置ヒ妾)に曲がり量/が大きい3 次ブL的な曲がりであるニヒがわかる.
ニぴ)ような3次元的な曲がりの場合は、整形システム
を考えろ仁で,丸竹材を回転させ′ ′ 1:がL二)胤トj 一ることら 必要であり,装澤ほHH二さ土,ニれノ)しり:う次ノこ曲がりにつ いて手),/ナ後,さ∴」∴ニー苫紬な実測デー㌢キ積み上げる必 要がある.
3.3 カンテキ作業による矯正精度の把握
l l こ1t 〕1し−.1のカンテキ矯正後の数値を見ろ± ∼ すミて供試
材折半均庫径以内∴/亡っている〝)がわ′ いろ.カンナキ作
業というH視土直打と判断される整形さ土,丸竹材各位牒
の−ト【二、点が二〝)平均直径以内∵収とろことであろと仮定 すろと,整形システムの矯正後の数偵=標を二〃)範「珂内 に設定すれば上いこと∴/−〔ろ.
一例としノ∴.水平位置で最大曲がり㍍t 11ニう.7r †l r r I を/ノミしノた 供襲ヰ付)カンテキ矯汗二後ソ)う〉市t 粧㌢ト1i 昌一(う,高低位帯で 最大曲がり竜6U∴ミn‖¶ キホし/た供試イ、木ノ〕カンテキ矯】[後(ノ)
分散しズ!を1r l gL′ 7にホ十.
二れし■ 」最大曲がり毒亮一′ 卜し∴二供資材で宜/)て≠J ,すべ て〃掛」1[ノトェが平均⊆i l 〔径釧句∴分布しノており 仁工し、〕/〕きの 度合いを′ ドイ標準休−;ぷ≠ ):ミ、2、1.′ 7ご,総測1主値叫こ票準わー−う 差(ニう.2)⊥1内で。を)る二二と/、工)、カンテキ作業〃)璃J t 三精度 を数値=標とLて、竹村〔ノい下均庫径以内でありヤ 標準有‖う 圭が:〕.2以内であることが ひと/」ソ)ト1安になろと考え
られる
4. まとめ
今回の結果をまとめると以下のとおりである
・ 直系約4cmの県慮マダケ材の良さ4.5m材30本を供試材 として,丸竹材の曲がり性状を実測し,その曲がり 量を計測した結果,最大曲がり蜃は,水平位置で 113.7mmであり平均直径の約3倍,高低位置で60.3mm
であり平均直径の1.6倍であった
。 丸竹材の曲がりには,2次元的曲がりと3次元的曲 がりがあり,2次元的曲がりの方が最大曲がり量は 大きい
・ カンテキ作業による曲がりの矯正によって,最大曲 がり量は35.Ommで,竹材の平均直径以内となり,標
準偏差も3.2以内であった
・今回の4寸丸竹材(長さ4.5m)の竹材の場合,カン テキ作業による矯正精度は,最大曲がり最が竹材の 平均直径以内であることと仮定した
今後は,さらに丸竹材直径の異なるものも実測データ を積み重ねて,大径竹や小径竹においても同様な傾向が あるかを把握しながら,今軋 仮定した矯正精度の数値 目標である最大曲がり量が平均直径以内という条件設定 が 一般化できるかという課題を解決する必要がある.そ のためには、さらに検討を進めて,整形システム開発の 基礎データとなるよう実測値データを測定するとともに その解析を進めることとしたい
謝辞
本研究の丸竹材の実測を行うにあたり,測定場所の提 供及びカンテキ作業について,合資会社 青山竹材店の 協力を得たことに感謝いたします
また,この現場での実測に協力し,実際の測碇作業を 行っていただいた京都府立府二大学大学院農学研究科の
山本氏にi 架謝いたします